商品・役務の分類
商標登録出願をする場合には、登録を受けようとする商標を願書に記載し、さらにその商標をどのような商品または役務に使用するのかを示すため、「区分」と呼ばれる商品・役務の分類を指定する必要があります。区分を指定しなければ商標登録されません。
商標登録出願人は使用する商品または役務の分野に応じて、第1類、第2類といったように、区分を指定します。
1つの区分には複数の商品(役務)が含まれています。例えば、第32類には「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」などが含まれます。
また、第33類には「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」などが含まれます。
したがって、ある商標を「ビール」と「果実酒」に使う場合には、第32類の「ビール」と第33類の「果実酒」を指定して出願する必要があるため、2区分になります。
以上のように、区分の数とは商標を使用する分野の数であり、商標登録された場合に独占的に商標を使用できる範囲は指定した商品・役務の範囲に限られます。区分の数が増えると商標の対象となる範囲は広くなりますが、商標権の取得に必要な費用も増えます。事業展開等を考慮して慎重に判断すべきでしょう。
商標の区分の指定
前述のように、商標登録の際、商標登録出願人は商標・役務の全区分45類中から1つ以上の区分を選び、その中の具体的な商品や役務を指定します。
そこで指定したものが商標権の権利範囲となります。
商標は商標権者が独占的に登録商標を使用できるいわゆる「使用権」と、他人が登録商標に類似する商標を使用することを排斥できるいわゆる「禁止権」といった性質の異なる2つの権利を備えています。
商標・商品または役務が同一・類似の範囲内で登録商標は保護されますが、それ以外の範囲(非類似)の範囲では原則として商標権の効力は及びません。したがって、商標登録されたからといってすべての商品・役務に対して登録商標の効力が及ぶわけではありません。
また、区分が違うからといって商品・役務が非類似とは限らない点に留意してください。商品・役務が類似しているかは「類似群コード」によって判断されます。
また、この区分は商標登録する際の手数料の単位になるため、指定する区分が多ければ多いほど、手数料も高くなります。
なお、区分はいくつでも指定することができます。
商標登録の対象となる商品・役務の分類
(注:下の表は「商品及び役務の区分」に属する商品又は役務を理解するための目安(目次みたいなもの)であり、商品・役務の内容を全て示すものではありません。)
→商品・役務の区分についてはこちら(特許庁「類似商品・役務審査基準」)
商品は以下の第1類~第34類に分類されています。
第1類 工業用、科学用又は農業用の化学品
第2類 塗料、着色料及び腐食の防止用の調製品
第3類 洗浄剤及び化粧品
第4類 工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤
第5類 薬剤
第6類 卑金属及びその製品
第7類 加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械
第8類 手動工具
第9類 科学用、航海用、測量用、写真用、音響用、映像用、計量用、信号用、検査用、救命用、教育用、計算用又は情報処理用の機械器具、光学式の機械器具及び電気の伝導用、電気回路の開閉用、変圧用、蓄電用、電圧調整用又は電気制御用の機械器具
第10類 医療用機械器具及び医療用品
第11類 照明用、加熱用、蒸気発生用、調理用、冷却用、乾燥用、換気用、給水用又は衛生用の装置
第12類 乗物その他の移動用の装置
第13類 火器及び火工器
第14類 貴金属、貴金属製品であって他の類に属しないもの、宝飾品及び時計
第15類 楽器
第16類 紙、紙製品及び事務用品
第17類 電気絶縁用、断熱用又は防音用の材料及び材料用のプラスチック
第18類 革及びその模造品、旅行用品並びに馬具
第19類 金属製でない建築材料
第20類 家具及びプラスチック製品であって他の類に属しないもの
第21類 家庭用又は台所用の手動式の器具、化粧用具、ガラス製品及び磁器製品
第22類 ロープ製品、帆布製品、詰物用の材料及び織物用の原料繊維
第23類 織物用の糸
第24類 織物及び家庭用の織物製カバー
第25類 被服及び履物
第26類 裁縫用品
第27類 床敷物及び織物製でない壁掛け
第28類 がん具、遊戯用具及び運動用具
第29類 動物性の食品及び加工した野菜その他の食用園芸作物
第30類 加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料
第31類 加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料
第32類 アルコールを含有しない飲料及びビール
第33類 ビールを除くアルコール飲料
第34類 たばこ、喫煙用具及びマッチ
役務の分類
役務は以下の第35類~第45類に分類されています。
第35類 広告、事業の管理又は運営及び事務処理及び小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第36類 金融、保険及び不動産の取引
第37類 建設、設置工事及び修理
第38類 電気通信
第39類 輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配
第40類 物品の加工その他の処理
第41類 教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動
第42類 化学技術又は産業に関する調査研究及び設計、電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発並びに法律事務
第43類 飲食物の提供及び宿泊施設の提供
第44類 医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生及び美容並びに農業、園芸又は林業に係る役務
第45類 冠婚葬祭に係る役務その他の個人の需要に応じて提供する役務(他の類に属するものを除く)、警備及び法律事務