商標権移転による不正使用取消審判
趣旨
これまで商標制度は、登録商標と類似する商標または類似する商品(役務)の範囲(いわゆる禁止権の範囲)について別々のものが共存することは、出所の混同が発生するとして禁止してきました。
しかし、その後の平成8年の商標法改正により類似商標分離移転ならびに同一商標分割移転を認めることとなったため、その結果発生することが考えられる出所混同の危険を防止するために規定された審判です。
請求人について
法文上、「何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる」と規定されています。
取消要件
- 商標権移転の結果、(1)同一商標・類似商品(役務)、(2)類似商標・同一商品(役務)、または, 、(3)類似商標・類似商品(役務)が異なる商標権者に属することになった場合
- 一方の登録商標の商標権者の指定商品(役務)についての登録商標の使用であること
- 一方の登録商標の商標権者の使用によって、他方の登録商標の商標権者(または専用使用権者もしくは通常使用権者)の業務に係る商品(役務)と混同を生ずること
- 一方の登録商標の商標権者の使用に不正競争目的があること
- 不正競争目的とは、「他の登録商標の商標権者等の商品(役務)と混同を生じさせる目的」をいいます。
請求期間
混同を生ずる使用の事実がなくなった日から5年を経過した後は審判請求することができません。
効果
取消審決の確定により商標権は消滅します。
取消審決を受けた商標権者は商標登録を取り消すべき旨の審決が確定した日から5年を経過した後でなければ、その商標登録に係る指定商品(役務)又は類似する商品(役務)について、その登録商標またはこれに類似する商標についての商標登録を受けることができません。