商標登録異議申立制度
趣旨
商標登録出願がされると、まず方式審査に付され、その後審査官によって実体審査が行われます。実体審査において拒絶理由が発見されなかった場合は登録査定がなされ、商標登録料金が納付されることで設定登録がなされ商標権が発生します。
しかし、上記手続過程において本来であれば拒絶されるべき商標が審査官の看過等により登録商標となる場合もあります。
そこで、審査官が審査して登録となった商標について、さらに一般公衆に開示することで公衆の審査に付し、審査の万全を図ることとしました。
申立人について
法文上、「「何人も」商標登録異議の申立をすることができる」旨記載されています。
申立期間
法文上、「商標掲載公報の発行の日から2月以内に限り」請求することができると規定されています。
商標掲載公報が発行されることで一般公衆は登録商標の存在を知ります。その一方で、無期限に申立を認めると法的安定性を害するため、上記期間に制限されています。
ただし、2月経過後は商標登録無効審判を請求することができます。
異議理由
異議申立理由として以下が挙げられます。
- 商標法第3条違反
- 商標法第4条1項違反
- 商標法第7条の2 第1項違反
- 商標法第8条第1項、2項若しくは5項違反
- 商標法第51条第2項(第52条の2第2項において準用する場合を含む)違反
- 商標法第53条第2項違反
- 商標法第77条第3項において準用する特許法第25条違反
- 条約違反
取消理由通知
商標登録異議申立についての審理は審判官の合議体によってなされ、異議申立に理由がある(取消決定)と判断した場合は、審判長が商標権者および参加人に取消理由を通知し、相当期間を指定して意見書提出の機会を与えなければなりません。
決定
決定には、(1)商標登録を取り消すべき旨の決定(取消決定)と、(2)商標登録を維持すべき旨の決定(維持決定)があります。
取消決定がされたときは商標権者は決定の謄本が送達された日から30日以内に取消決定に対する不服訴訟を提起できます。30日以内に不服訴訟を提起しなかったり、あるいは、不服訴訟の敗訴判決が確定したときは取消決定が確定します。
一方、維持決定がされたときはただちに確定します。異議理由は無効理由に包含されているため、申立人は別途商標登録無効審判を請求することができるからです。