商標登録無効審判
商標登録無効審判とは
商標登録出願において、審査官は商標登録出願が商標法第3条、第4条等の規定により商標登録することができないものであるとき等は、その商標登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければなりません。
しかし、本来登録されるべきでない商標が審査において看過され登録されることがあり、このような登録商標についてはその登録を是正する手段が必要となります。
また、審査段階においては拒絶理由がなかったものの、事後的に商標登録を維持することが不当となる場合があります。このような場合もその登録を是正する必要が生じます。
請求人について
請求人について、商標法上の条文では特に定めはありません。
しかし、商標登録異議申立制度のように条文に「何人も」という記載がないことや、民事訴訟にいう「利益なければ訴権なし」の原則が商標登録無効審判においても妥当することからすれば、登録商標の存在によって直接の不利益を受ける者(たとえば、他人の登録商標を引用する拒絶理由通知をうけた場合)だけが商標登録無効審判を請求できると解すべきであるとする考えがあります。
無効理由について
商標法は以下の理由を無効理由として限定列挙しています。以下の理由以外では商標登録無効審判を請求することはできません。
- 商標登録が第3条、第4条等の規定に違反してされたとき
- 商標登録が条約に違反してされたとき
- 商標登録がその商標登録出願により生じた権利を承継したい者の商標登録出願に対してされたとき
- 商標登録がされた後において、商標権者が商標権を享有することができない者になったとき、又はその商標登録が条約に違反することとなったとき
- 商標登録がされた後において、その登録商標が第4条第1号~3号等の規定に掲げる商標に該当するものとなっているとき
- 地域団体商標の商標登録がされた後において、その商標権者が組合等に該当しなくなったとき等
請求期間
商標登録無効理由中の私益的な無効理由のある商標であれば、商標権者のその後の使用により蓄積された信用を保護することのほうが大切であると理由により、無効理由によっては商標登録設定日から5年経過した後は商標登録無効審判を請求できない「除斥期間」が設けられています。
以下の無効理由について「除斥期間」が適用されます。
- 商標法第3条違反
- 商標法第4条第1項8号、11号~14号・10号又は17号(不正競争目的がある場合を除く)、15号(不正目的がある場合を除く)違反
- 商標法第8条第1項、第2項および第5項違反
- 商標登録出願により生じた権利を承継しない者に対する登録
- 商標登録設定時点では需要者間に広く知られていなかったのに誤って登録された地域団体商標が、需要者間に広く知られるにいたったとき
効果
商標登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、商標権は初めから存在しなかったものとみなされます。
但し、後発的無効理由に該当する場合において、その商標登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、商標権はその商標登録が無効理由に該当したときから存在しなかったものとみなされます。